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困りごと知恵袋

お金がなくて困っています。働ける状態じゃないし、そろそろ家賃も払えなくなりそうです。

誰にでも使える制度があります。使い方を理解しましょう。

日本では、お金がない時、稼ぐことができない時の、経済的なサポートがいろいろとあります。最終的なセーフティネットに、誰でも受けることができる「生活保護」があります。

生活保護では、生活費、医療費、家賃など、生活に必要な費用の支給を受けられます。
また、働きながら利用することも可能です。生活保護を受けながら就労した場合は、収入申告が必要になり、生活保護費から収入を得た分が調整されますが、「控除」といって手元に残る分があります。働いて損をすることはありません。
生活保護には様々な誤解があります。ネットでは正しくない情報も出回っていますので、正しい情報を得るようにしましょう。理解するために便利なのは、日弁連のパンフレットなので、参考までに見てみてください。

パンフレット「あなたも使える生活保護」

また、2015年からは、生活保護の手前のところで自立を応援する「生活困窮者自立支援制度」が作られ、全国どこでも自立のための総合的な相談ができるようになりました。
生活困窮者自立相談支援では、様々な支援や方法について教えてもらうことが可能です。一時的な住まいのサポートもあり、家賃を給付してくれるタイプと、実際に一時的に暮らすことを提供してくれるタイプがあります。自治体によって実施状況は異なりますが、住まいの支援が広がっています。

お金に関しては、障害年金などの年金、失業保険や労災などの社会保険、傷病手当や特別児童扶養手当などの社会手当など、収入をサポートする仕組みも用意されています。
また、給付金付きの職業訓練もあります。利用条件はありますが、種類や期間や対象もいろいろとあります。

お金の支援がいろいろとあるとはいえ、最終的に安定感があるのは生活保護制度です。無理せず、必要な時に必要なタイミングで、一時的な支援として生活保護に頼ることはありだ思います。
運転免許証など就労に必要となる資格取得のための、正業扶助という仕組みもあります。お金のない人にお金を給付することが生活保護の役割のように感じているかもしれませんが、「保護」だけではなく、「自立」を助長することが生活保護の大切な役割です。恥じることもないですし、後ろめたいと思う必要もありません。

お金に困っている背景に、家族からの暴力や排除、学校でのいじめや不登校、職場でのハラスメントなど就労が困難な状況があるとしたら、働き続けることは簡単なことではありません。心身をゆっくり休め、自分を取り戻し、尊厳の回復をするためにも、生活保護に一時的に頼ることはとても自然なことだと思います。